さよなら、ぼこう
舐められるのが嫌い
担任が顧問の演劇部。新入部長はそんなにやる気もなく、バレないように部室を麻雀荘に改造する日々。
当時新城東高校の体育館のステージは女子ソフトボール部が筋トレを行うための場であり、演劇部の稽古はステージから降りたモップなどを置いてあるスペースで細々と行っていました。でも、そんなにやる気のない僕だったので、演劇っぽいことやってりゃ怒られないし、テキトーに発声のマネゴトをして、いい感じで麻雀をやって(他の部活の幽霊部員の憩いの場だったのである)、ひとりでは大会に出られないので夏の大会は実行委員として思い出づくりに参加してあっという間に秋。
文化祭でなんかやらなきゃいけない!
という文化部のクセに後ろ向きな理由から本格的に稽古をする事になったのです。
その時には他の部活に馴染めなかった連中が合流して、演劇部は野郎ばかり5人の部活になっていました。
演目は『せりふの時代』に載っていた別役実さんの『死体がひとつ』
やる気ねークセに、更に演劇なんてものが全く定着してない学校の文化祭で不条理劇をブチかますという、全くもってなんでこの作品を選んだのかもよくわからない(今でもわかんない)僕らの手探りの稽古。
発声練習をすれば「勉強の邪魔になる!」と先輩・教員に叱られ、女子ソフトから譲ってもらったステージで練習してりゃ、バレー部とバスケ部からボールをぶつける的にされ、体育館の戸締りができてなけりゃ演劇部のせいにされ、イザ文化祭で上演すりゃあ「よくわからない事をやってるなんだかよくわからない部活」とイジられ、とにかくムカついてムカついて爆発してしまった僕の目標は、
舐められないために実績を残す。
というものになっていったのです。