【ネタバレあり】名古屋の売れない芸人が品川でシン・ゴジラ見てきた
2.ストーリーは会議室で展開する!
これがたまらなくいい。
超高速セリフ回しで繰り出される小難しいセリフ、読み切れない速度で消えちゃうテロップ、アニメのように細かく刻まれたカット。
これは完全に好みだと思うんですが、これらのリズムが僕には合っていたようで、非常に心地よく見ることが出来ました。
2007年、防衛大臣だった石破茂さんが記者会見の中で、
「もしゴジラやUFOが日本に現れたらどうするか?」
という質問に答えたことがありますが、そん時
「おもしれえなぁ。映画もこうだったらなぁ」
と思ってたことを本家がやってくれたわけです。
そんな石破茂さんがちょっとだけシン・ゴジラの感想を書かれてました。
お初盆ご挨拶など(BLOGOS 2016年08月19日の投稿)
こういう視点からの話も面白いので僕は好きだし、むしろいろんな人の感想をどんどん聞きたい、と思いました。
話は戻って。
緊迫したシーンではあるが、日本の物事を決定するプロセスや仕組みを丁寧に調べあげた上で、ちょっと笑ってしまうようなやり取りも交えつつ、圧倒的な情報量が押し寄せてくるシーンの連続に、震えました。
というかほぼストーリーは会議室で展開していくのです。
間にゴジラと自衛隊との戦闘や、逃げ惑う人々の描写が入りますが、それは突如現れた「圧倒的な存在」をその都度僕らに感じさせてくれるシーンであり、机の上で繰り広げられるもうひとつの闘いに、僕は大きなドラマを感じました。
とは言え。
繰り返しになりますが、最終的には好みだから、この会議のシーンが良くない、嫌いって感想も当然多くあるよね。
んで。
冒頭、誰に感情移入するのかって事をなんとなく頭の片隅に置きながら見始めたのですが、セリフの速度やめまぐるしく変わるシーン、何より、ゴジラの出現が想像より早かったので、
「こりゃ、あんまり考えずに見たほうがいいぞ」
と、物語を俯瞰して見ようとシフトチェンジしたのが良かったのかもしれません。
あと、
「もし発売されるならシナリオブックとBlu-rayを絶対買う」
と思える情報量は、ある意味、作り手の狙い通り思惑にハマった感じではあります。
ぼんやりと物語の全体を眺められたお陰で、変にイデオロギー的な要素を勘ぐったり、あら捜ししようと斜に構えてみたり、様々なところで言われてる役者さんの芝居に対する感想みたいなことにイチイチ引っかからず観ることが出来ました。